Memory お客様との思い出
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お客様との思い出①
軽い知的障害をお持ちの宝塚市Tさんが心臓の手術を受け、よくなって退院された時に「私、岡村さんがいなかったらどうしよう」といわれたことは、今でもよく覚えています。
50すぎでガンになり、自分が援助してきた80代半ばの父親、知的障がいの弟2人を残すことになったKさん。主にご自分が亡くなられた後の3人の生活と、ご自分の死後の手続きを心配しておれました。
任意後見契約に死後事務委任手続きを組み合わせて、お葬式を行い、退職金、保険金をご家族が受けとるお手伝いができることを説明しました。
2つの契約を公正証書で結んだあと、Kさんが「こんなに簡単やったんや」といわれたのが忘れられません。
その後、数ヶ月で亡くなられましたが、看取りとお葬式をお手伝いし、無事退職金と保険金をご家族に受け取っていただけました。 -
お客様との思い出②
和歌山の名家の出身で音楽の先生だったTさん。
亡くなられた弟さんのお嫁さんと暮らしておられました。お嫁さんは耐性結核菌に侵されていましたが、献身的にお世話されていました。
ただ、二人では限界があり、私に手伝ってほしいとの連絡がありました。まず、お嫁さんと任意後見契約を結び、入院や保健所の手続きをしました。また、伝染病で外出できず、友人にも会えないことから、たいへん寂しい思いをしておられたので、N95マスクをしてできるだけ頻回に訪問するようにしました。
また、数ヶ月して、お嫁さんから遺産を実の兄弟ではなくTさんに贈りたいとのご意向を受け、遺言を書いていただき、遺言執行者になりました。
次の年、お嫁さんは亡くなられましたが、看取りとお葬式をお手伝いし、無事、遺産をTさんにお渡しできました。
お嫁さんが亡くなられた後、Tさんはやっとご自分の時間が持てるようになり、家を売って借家に猫と住まれるようになり、通っておられた教会のお友達と、静かな時間を過ごされるようになりました。
持病がありましたので入退院が何度かあり、ショートステイを利用されることもありました。その際には、任意後見契約に基づき、手続きをしたり付添をしたりしました。
Tさんは関わり始めて8年後、永眠されました。遺産を教会に寄付してほしいとのことでしたので、遺言を作成し、遺言執行者として手続きを行いました。
Tさんは清いという言葉がぴったりな方で、後見人ができて幸せでした。TさんのケアマネさんのKさんが私を指して、「この人を離したらあかんよ」とTさんにいわれ、Tさんが「当然です」といってくださったことは忘れられない思い出です。